■タイに行ってきました。

2004.6月と8月の2回にわたり、タイ国政府商務省貿易振興局(DEP)の招待
により、デザインの特別講師としてタイ・バンコクに行ってまいりました。
 ご存知の通り、タイはゴム材を素材とした木製玩具のメーカーが多数存在してお
り、世界的にもかなりのシェアを持っています。そういういわば「伸び盛り」のこの国
において、後ろから追い上げてくる中国などの生産国に対抗すべく、価格だけでは
なくデザインそのもののオリジナリティーやクオリティーを向上させることが急務とな
っています。そのため、タイでは国家的なプロジェクトとして毎年おもちゃデザインの
コンペを開催し、受賞者にはドイツ・ニュルンベルグの国際見本市招待や賞金の授与
をはじめとして、めぼしい作品の商品化、メーカーとの契約デザイナー、専属デザイナ
ーへの道を開くなど、若手の育成に力を入れています。
 そういう中にあって、若手のフリーデザイナーや、その卵、またデザイン専攻の学生
などを対象とした「玩具デザインとは」という講演と、玩具アイデアモデル試作の実習
をバンコクにて行うので講師としてきてほしいという依頼が私のほうに舞い込んでま
いりました。

講演 (6月)

実習(ワークショップ)風景 (6月)

女子学生と記念写真でご満悦の私。
左端はマーケティング分野の講演を
担当したM氏。 (6月)

今回の訪タイで感じたのは、ひとつにはタイの学生、若手デザイナーの発想の豊かさです。
各アイデアは、いずれ商品化されるかもしれないので大きな画像でお見せすることはでき
ませんが、アイデアの発想力は同世代の日本の人たちよりすぐれているかもしれないなと
思わせられました。やはり、自分のアイデアがすぐに商品化に結実したりメーカーへの就職
につながったりするという「希望」が目の前にはっきりと見えるこの国の若者には、成長する
国のエネルギーのようなものが体現されているのかもしれません。
 もうひとつには、国がこうして若者にチャンスを与え、夢を与えるプロジェクトを開催し続けて
いることのすばらしさです。真面目に努力すれば報われるというあたりまえの事実をまだこの
国は保っているように思えました。(もちろんこういう勉強をできる立場の若者にとってという
限定つきではありますが・・・)

作品発表会 (8月)

後日発刊された報告リーフレットより

Mtoys

の活動報告

この時の詳しいお話は、ブログ

エムトイズのおもちゃ紀行

に連載中