からくりを楽しむ木のおもちゃがある。
手でハンドルを回すと歯車やカムなどの機構
で上の人形が動き出すといったものだ。木のおもちゃ
とりわけ手作りの作品のなかでこういうジャンル
のものが一定の人気を得ている。
私のおもちゃは「からくり」ジャンルに入るのだろうか?
確かに積み木などと違って、動きを出す仕組みと
いうものがあって、少々複雑な面も持ち合わせている。
ただ、じっくり考えて比較してみると、いわゆるからくり
玩具やメカニズムおもちゃとの大きな違いに気付いた。
それは「動きのリンク」の違いである。からくり玩具は、
動きのリンクそのものを楽しむようになっている。メカニ
ックなんだけどどこか懐かしいアナログ的「きかい」
の素朴な動きを楽しむのだろう。
一方、私のおもちゃはどうだろう?動きのリンクは一回
ないしは二回くらいしか無い。つまり、「たたく」動作が
シーソー型のカタパルトに伝わり、それで何かを飛ばす
だけ・・・・という程度の「メカ」なのだ。メカというのもおこ
がましいほど単純なものだ。
じゃ、何を楽しむのだろう?それは、たたくほうの手の
「たたき方」の調節のほうを楽しむのである。おもちゃは
人間の力を伝えてくれる媒介にすぎない。おもちゃその
もののメカで見せる玩具ではないのだ。自分の動作で
起こる変化を楽しむ玩具なのである。
どうしてこういうおもちゃの傾向になったのだろう?
ひとつには、私は「理科系」ではなくて「文化系」人間
だからだろう。機械の仕組みとかそういうのにあまり
興味は無い。例えば車だが、車のデザインなどを
見ることや乗ることは好きだけど、メカには詳しくない。
だからといって、動物のおもちゃとかそういう情緒的
なおもちゃの傾向にならなくて、一見メカニックに「見え
る」玩具になってしまったのも我ながら不思議だなと
思う。
要するに、「たたいたり」「飛ばしたり」「ころがしたり」
自分が動かさなきゃ気がすまないんだろう。
結局「体育系」か・・・・。
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