私のおもちゃには赤や黄色、青などの原色系の色がついているものも多い。
もちろんそれには意味がある。単にきれいだから塗っているわけではない。動く
部分がはっきりとわかるためとか、色分けして区別しやすくするとか、色の組み
合わせそのものを楽しめるとか・・・機能的に必要だから着色している。こどもに
とって色は友達だ。こどものおもちゃを作っているからこそ色も私は必要に応じて
使用すべきだと考えている。
よく木のおもちゃで白木オンリーかあるいは樹種の違う木の色使いで作られていて
着色をしていないものがある。これは特に口に入れるかもしれない年齢対象の
おもちゃには意味のある選択だ。ただ、そういう意味とは離れて、単に表現の趣味として
木の自然色でのみ見せようとするおもちゃも多く存在する。それもまたひとつの見識
であり、やり方だとは思う。ただ一方で、それは大人の「自然志向」とか「白木信仰」の表現
としてデザインされているきらいもあり、本当に子どものおもちゃとして「色」は必要
なのかどうなのかという深い探求の上で選択されたことなのかどうかはわからない。子ども
にとって「遊び」とは何か、そのためのおもちゃとは・・・という視点からの発想ではなく
インテリア的な心地よさからの視点でのみ制作されているものもあるのではないだろうか?
もちろん、着色する場合、塗料の安全性などには充分配慮する必要がある。(ヨー
ロッパの木のおもちゃでは着色されたものが多いが、当然安全性に配慮された塗料が
使用されている)この点ではいつも苦労する。自然系の着色塗料は乾きは遅いし、色落ち
もあるし・・。
ただ、木をあがめるあまりに色を悪者にしないでほしいなと思っている。子どもにとって、
遊びにとしてどうなのかという視点から色というものを考えたい。
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