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2006年11月7日(火)
地方都市

 ひとつ下で書いた仙台と東京のことに関連するが、
地方都市というのがなぜか好きだ。城があって、メイン
の繁華街があって・・・というような。仕事でいろいろな地方都市を訪れるたびに
ブラブラと歩きまわるのが好きだ。その街ではちょっとひとクセあるマスターがやってそうな
喫茶店とか、地元の人でにぎわう洋食屋とか、町が生んだ文豪や偉人の記念館があったり
在住のクラフト作家が活躍するギャラリーがあったり・・・

 東京は確かにすごい最先端ではある。しかし、最先端もあるかわりに、客をなめきった

まずい食い物屋とか、にわか作りでコケ脅しの「高級店」とか
おのぼりさん用の俗悪すぎる店とかもいっぱいある。
 地方都市で長年住んでいる「地方の都会人」には見向きもされないような水準の店が,
案外東京では成り立っていたりする。

 その点、地方都市は、きちんとした老舗をはじめとして、文化を継承する意思を持って
続いている店が多いように思えるし、住み続けている人たちのニーズにきちんと応える

ものだけが残っている気がする。高知にだけある「久保田アイス」とかそういう地元企業が
生き残っているのも魅力的だ。

 アクセスの点でも、人間が動きまわるのにほどよいサイズの都市構造になっているので、
全体が把握しやすく、便利なのである。メガロポリスになればなるほどそういう機能が複合的
になっていくので、刺激的ではあるけれど疲れる。

 もちろんそれは好みの問題だし、東京の中にも、住み続ける人たちの生活にしっくりなじんで
いる町並みは存在する。

 むしろ、都市の崩壊の要因として、「郊外」というものの発展と均一化が全国どこも激しい。
つまらない方向での均一化だ。巨大スーパーにファミレス、量販店が並ぶ光景はどこも同じ・・。

 それでもなお、「郊外」ではない旧市街を持つ地方都市にはまだまだ「生活」が見える。
いつか大都市のような崩壊が押し寄せるのかもしれないが今はまだ都市らしい「粋」が残っている。
そんな街に惹かれる。


2006年10月24日(火)
仙台

 先日、仕事で仙台に行く機会があった。地図上の
距離は1000キロくらいありそうなのだが、東海道新幹線から
東北新幹線に乗り継いで(東京経由)行けば、4時間あまりで着いてしまう。

 今回は、宮城教育大学のプロダクトデザイン(工業デザイン)
の授業の一環で、現役のおもちゃデザイナーの講義をという依頼を受けての
ことだった。

 地下鉄も走り、今風のファッションビルでもなんでも揃う大都市でありながら、
緑が多く、大きすぎない「程よさ」が「住みやすいですよ(今回の担当教授の
言葉であるが)」というのもうなずける。冬も、雪は15cmくらい積もるのが

3回くらい・・とのことで、『だったら京都とさほど変わらないな』と思った。
しかも夏はさわやかなのだそうだ。

ちょうど南ドイツあたりの気候に似ているのかなとも思えた。
 夕食に食べた松島湾の生牡蠣はとても新鮮でうまかった。
食もなかなか充実してそうな街だった。

 行きに、東京で下車して、青山のクレヨンハウスさん(絵本と木のおもちゃの店)
に挨拶がてら寄った。いつも原宿で下車して表参道を歩いて行くのだが、
同潤会アパートが無くなって、すっかり斬新な「表参道ヒルズ」になっていて驚いた。
戦前としては先進的で、現在も表参道の顔のような趣をはなっていた同潤会アパート
ではあったが、老朽化には勝てなかったようだ。安藤忠雄氏設計による表参道ヒルズ
は、圧迫感をできるだけ抑える低層の長い建物として工夫されていてそれなりに通りに
マッチしていたが、やはり一抹の寂しさは残る。
 
 
 

2006年10月3日(火)
丹波にて

 9/30〜10/1とクラフトフェアに出展のため、丹波に行ってきた。
二日目は朝から雨。でも、雨でも見に来てくださるお客さんもたくさんいた。

 いつもはビジネスホテルに宿泊するのだが、今回は日本おもちゃ会議の
仲間と一緒に近くのキャンプ場にあるコテージに泊まった。秋の夜長を
、久しぶりに会う方々と宴も盛り上がった。コテージの外でバーベキュー

だったのだが、誰かが「アッたぬき!」と声をあげた。見ると体長60Cmくらい
のタヌキがすぐ近くまで来て物欲しそうにじっとこちらを見ている。エサを

もらい慣れてる感じだ。
 今回は組み木おもちゃのデザイナー小黒三郎さんも同宿で、クラフトコンペの
審査員のご苦労や、コスタリカのお話などが聞けて有意義だった。

 それにしても、旅先の朝食というのは何故うまいのだろう?家ではへたをすれば
眠気で砂を噛んでいるような味覚の時もあるのに・・。ついついおかわりまでしてしまう。

そういえば、小黒さんも(御年70歳なのだが)「旅が多いのでつい朝は食べ過ぎちゃうんだよね」と言っておられました。

2006年9月2日(土)
夏も終わり

 夏も終わる。今年は、いつものワークショップ
出張の数々に加えて、制作しなければならない
ものがたくさんあって、作業まみれの2ヶ月だった。
(まだまだ続いているのだが・・・)
ただ、そんな中で、昼食時に高校野球を見てしまおう
もんなら、ついつい最後まで見てしまって、後の作業
時間を圧迫・・・とう事態も多々あった。また今年は、最後に逆転
したりするねばり勝ちの試合も多くて見ごたえがあったので
無理もない(ということにしておいて・・・)
 
 作業していて汗だくだった頃に比べ、けっこう
サラッとすごせるようになってきた。秋は確実に
やってきている。なんか、温暖化とか異常気象
とかいう話題が日常化するにつけ、『本当に涼しく
なるんだろうか』などというおおげさな不安が頭を
よぎるときがある。そういう意味でちょっとした秋の
気配にもなんかホッとしたりするのだ。

 

2006年8月17日(木)
道頓堀

 お盆休みに、妻の実家(大阪南部の富田林市)
に家族で帰っていた。間の日に、ミナミにでも出よう
ということになり、なんばパークスなどに行ったのだが、
ついでに歩いた道頓堀がえらいことになっていた。
くいだおれの人形の前で盛んに携帯で写真を撮る人が
たくさんいたり、新しく出来たようなたこ焼き屋に50mくらい列ができて
たり・・・・フードテーマパークが出来てたり、とにかく「観光地」なのだ。
 私が子どものころの記憶の風景として、グリコ
のランニングマンのネオンとともに思い出すのは
あくまでも大阪の繁華街の中心としての華やいだ
雰囲気であって、外から来た人に占領された
「観光地」では決してなかった。それがいつのまにか
作られたテーマパークのような「大阪」が演出された
うそ臭い街になっていた・・。そういうのを「経済効果」
というのだろうか・・・。古くからの大阪人はきっと違和感を持って
眺めているはずだ。

2006年8月11日(金)
わらべ館

 8月7〜9日と、例年通り鳥取に家族で海水浴。
この3日間を休むために、前日ヘトヘトになりながら
注文品の制作を一部完成させ、発送の時間がなくて
鳥取のコンビニから発送というような綱渡り的な状態・・・。
 それでも、暑い中、きれいな海の水に包まれる
気持ちよさを味わい、おいしい海の幸に舌鼓を打って
とても癒された気分だった。
 今回の旅行の折、鳥取のおもちゃ博物館「わらべ館」に最近
展示用に納品したものがあったのでどのような感じか
見るために寄ってみた。2階にある「Drトリトルのおもちゃ
研究所」と銘打った木のおもちゃの展示とプレイコーナー
にあるのだが、納品した「ウェーブ」が無い・・。学芸員の
方に聞いてみると待機中とのこと。そのかわり、たたいて
回るコマのおもちゃ「SPOLA」が置かれていた。(写真)
 かなり使い込まれていて、けっこうデコボコしていたけど
『おお・・いろんな人にたたかれてがんばってるんやな』と
いとおしい気持ちになった。

2006年7月19日(水)
一石二鳥?

 忙しくてこの日記も書いてないなと思ったら
1ヶ月近くたっていた。まあ、忙しい時に「忙しい
忙しい」とここで不特定多数相手に叫んでもあまり意味ないし
なりゆきで書かないときはそれでいいかと思っている。
 
 たくさんの同じパーツを作るときいろいろと段取りを
考える。今日やった作業で、ルーター(ある形の刃物
が高速回転して一定の形の溝を掘ったり、木材の端
を一定の形に仕上げるための電動工具)で先端を
尖らせて、丸ノコ盤で定寸に切断するというのがあった。
 工房のルータースタンドは低いので、しゃがんで、丸棒の先端
加工をする。そして、立ち上がって丸ノコ盤で切る。
 約100本必要なのでこの作業を100回近くやること
になる。必然的にしゃがんで→立つ動作を100回くらい
繰り返す・・・・スクワットだ!作業しながらエクササイズ!
こんな一石二鳥な木工作業がかつてあっただろうか!!
定寸に切った材料をかためてルーターにかけていけば
こんなスクワットは必要ないけど、わざとこのようにして
運動不足を解消しているのだ。

 というのは実はウソ。定寸に切った丸棒は短かすぎて
ルーターにひとつずつかけていくと材料が飛ばされる
恐れがあって危険なのだ。だから仕方なしに立ったり
すわったりしてひとつずつ仕上げていってるだけのこと
でした。なんのこっちゃ!?という話でした。

Mtoys日記

毎日は書けないけど、、ひごろ考えていることを垣間見てもらえたらいいかな
と思います。