狭い私の工房だが、時々お客さんがみえる。24日の土曜日は、ここのところ3ヶ月連続で研修を依頼されている
障害者作業所の職員の方々が来られた。今後製品化していきたいものの試作をしてみるために、いろいろと作業
をしていただく。今回はそうでもなかったと思うが、時に、「木のおもちゃの工房」と言うと、とても楽しそうな環境を
イメージして来られる方もあるのだと思う。しかしながら、実際ものを作っている現場というものは、だいたいがそうそう
夢のある光景でもないのが現実だ。たくさん切りだされたパーツはわけのわからない形だし、木屑はちらばっているし
地味な色の機械や工具が周りを囲んでいるだけ・・・。カラフルな可愛いおもちゃが所狭しと並んでいるというような
ビジュアルにはなかなかお目にかかれないのだ。(時にそういう瞬間もあるけど)
まあ、工房なんていわば「楽屋」であって表舞台ではないのだから、人に見せるための空間ではない。ただ、それが
かえって面白いと思う酔狂な人たちもいるのだから困る。かくいう私も仲間の工房を見るのは大好きだ・・。
日曜は、大阪・江坂にあるクレヨンハウス大阪店でおもちゃのワークショップ。私の定番「マウスボカン」を作っていただ
いた。お店の隣にあるアパレル系の会社の倉庫を休日だけワークショップ会場として借りておられるということで、今回も
そこで教室。この空間がなかなかおしゃれなのだ。写真では全体がわからないが、入り口は3mくらいのおおきな木のドア
で、ドアの横は全面ガラス張り。内部はニューヨークのソーホーにある元倉庫という感じで、片方には木造りのロフトがあり、
洋服の棚が並んでいる。ワークショップに使用させてもらった机やイスは全てムクの木の家具だった。
そんな空間のなかで、たくさんの親子が参加してくださり、マウスボカン作りを楽しんだ。
ワークショップ後、お店の方との話の中で、「こんなところが自分の工房だったらなあ・・・」と思わずもらしてしまった。
お店の方も「そうですね、もしこんな空間がおもちゃの工房だったらぴったりですね」と言っておられた。
なかなか思いどおりにはいかないものだ。

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