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2011年8月1日(月)
なんばパークスにて

 月最後の土日(30日〜31日)はこれも毎年恒例となった
大阪・なんばパークスの産経学園でのおもちゃ教室。Kurasu Season
という本屋、文具、雑貨や乳幼児玩具、カフェ、カルチャースクールと
いった複合施設となっている5階のスペースで行う。
 夏休みも始まったばかりなので、まだいろいろでかける所もあるのか
例年に比べてなんばパークスに来ている親子連れは少なく感じた。
それでも混み始めると、教える私の手が回らなくなり、産経学園のスタッフ
にもヘルプていただく。


 参加した親子は皆さん買い物の合間の工作を楽しんでくれたようだ。二日間
立ちづめでの工作指導で疲れるのだが、子どもたちがいつも楽しんでくれるので
(親のほうが夢中になることもよくある)こちらもうれしい。
 そんな中、一人の若いお母さんふうの人が並べてある見本をじっくり触って検討して
いる感じだったので、「5種類のうちから選んで作れますよ」と声をかけた。
ふつう笑顔で「あ・・はい」とか「へえー」とかリアクションがあるものだが、
その方は完全無視。まるで、デパートなどで店員を無視しながらも自分の見たい
(触りたい)商品は見るというような態度・・。しかも会話は無視なのに、おもちゃ
見本だけは無遠慮ともいえるくらい触り倒して興味深々の様子なのだ。そのギャップ
に少々気味が悪かった。
私もその後なにか言うのをあきらめて(というか・・『何で無視?』と気を悪くしたので)
離れた。やがてその方は携帯を取り出して話しながらどこかへ去っていった。その
話す言葉は日本語だったので外国の方で言葉が通じなかったということでもなかったようだし・・。

 こういう方に代表されるような「他人とのコミュニケーションがうまくとれない人」が増えているように
感じる。こういう人でも仲の良い友人などとはうるさいくらい話しているのだ。ところが、電車の中とか
お店とか、ちょっとした「袖ふれあうも多少の縁」というくらいの他人と、ゆずりあったり、断ったり
ちょっとお礼を言ったり謝ったりというシチュエーションになった時、自然に会話できなくて声さえ
だせないという「大人」が時々いる。要するに社会性の部分が子どもなんじゃないかな・・と思えるのだが。
 もちろん私だってどちらかといえばシャイなほうで、決して人づきあいがうまいほうでもない。
ただ、公的な場での普通の態度としてなんとなく身についてきただけのことだ。

携帯などでプライベートなコミュニケーションばかりに慣れ、公的な場でのさりげない他人との
やり取りがヘタになっているのかな・・。

 

2011年7月30日(土)
ドイツの森

 みのとれない日が続いている。毎年のことであるが、夏のおもちゃ教室の
準備作業が詰まっているからだ。今年は富山県の大型児童館「こどもみらい館」
での個展の準備もあったのでよけいにハードになった。
 そんな中で昨日の金曜日は、奈良市の木のおもちゃ店「ペルレ」さんでのおもちゃ
作り講習会。「やじろべえののせっこゲーム」を作っていただいた。ちいさなスペース
で入れ替え制で講習を行う。もう何年も恒例になっている催しで、いつも夏のおもちゃ
教室の「口あけ」がペルレさんになる。このあと各地の教室がずっと続いていくことになる。

 おもちゃ屋さんでの講習会なので空いた時間は木のおもちゃをみたりしてすごせる。
そうすると、根が木のおもちゃ好きなのでついついほしいものが出て来てしまうのだ。
 家にいる時は土日も休み無しで働いているので、かえってこういうおもちゃ教室本番の
日のちょっとした休み時間のほうがリラックスできたりする・・。



 そんなわけで購入したのは、写真の「木」。ドイツのエルツ地方にあるメーカーの製品だ。
前から少しずつ買ったり、いただいたりして4本持っていて、今回新たに4本買った。大きさは
一番大きい高さ16cmのものから、一番小さい高さ8cmのものまで5種類ある。
並べていくとドイツの森が出来てくるのが面白い。これからも少しずつ増やして、並べていこうと
思っている。やがて小さな鹿や木の家なんかも置いて情景(ジオラマ)づくりをしてみようかな・・・なんて
目論んでいる。道を通してミニカーのドイツ車(フォルクスワーゲンとか)を置いてみるのもいいかも。

2011年7月8日(金)
「元気印のおもちゃたち」展

 日、今日と、富山県に行っていた。富山県にある大型児童館「富山県こどもみらい館」
で明日から開催される「元気印のおもちゃたち −松島洋一・木のおもちゃの世界- 」展
の搬入に行ってたのだ。
 今回は展示用の荷物を満載して車で行った。高速を飛ばして約4時間かかって最寄りとなる
小杉ICに到着。そのままこどもみらい館へ。着いてすぐに、担当のFさんに挨拶もそこそこに
一緒に作業にとりかかる。半分ほど済ませてこの日はお開き。Fさんと高岡市内の居酒屋で
ご苦労さん会。飲まない私は、ノンアルコールビールで喉をうるおしながら北陸の海の幸に舌鼓
を打つ。おもちゃ作家や絵本作家などを呼ぶ様々な企画、また日常の児童館における取り組み
でも発想を重視するFさんは、児童館職員としてとてもユニークな存在だ。共通の知り合いも
多い。(今回は同館の企画に外部からブレーン参加している京都のTさんのなかだちで企画展が
実現した。)
 翌日の今日、ホテルを出て、9時頃にこどもみらい館着。また展示作業の続き。展示物はアクリル
板ごしに見る展示ケースに納められるのだが、できるだけ触って遊んでいただきたいので、同じ
おもちゃをその前に台を出して遊び用に用意。今から子どもたちがたたいたりころがしたり
する音が聞こえてくる気がした。

 展示会場の一部。大型の「飛んでキャッチ」も持ち込んだ。

 こどもみらい館の建物は、いわゆるバブル期に出来たものだが、こども施設を得意とする有名な建築デザ
イナーがてがけたもの。館内のいたるところに遊びの仕掛け、アスレチック的なトンネル通路など
がめぐらされ、子どもたちの好奇心と冒険心を引き出す建物となっている。バブル期だから出来たとかいう
こともあるのだろうが、こどもたちが育つのに本当に必要な施設や企画に予算をかけるということに関しては
、バブル期であろうが不況下であろうが、経済効率だけで「仕分け」てはいけないと思うのだが・・。
 今回、私のおもちゃ約100点(同じもののバージョン違い、過去の作品、試作などを含む)を
館内の2ヵ所のギャラリースペースに展開。なんとか、私のおもちゃのコンセプトに迫る展示になれ
ば・・・と思っている。

 こどもみらい館の「トンネル通路」のぞき眼鏡や伝声管などの仕掛けも。

 2時半ごろに展示作業を終え、帰路につく。昨日の雨がうそのようにカンカン照りだ。せっかくの富山
なのでどこかに寄って帰ろうかなとも思ったが、若干疲れ気味なのと、この暑さに気力が失せてすぐ
帰ることにした。帰ってからもまだまだ夏のおもちゃ教室関係の準備がびっしりとあるのでのんびりでき
ないなあ・・。

2011年7月1日(金)
プリンセス・トヨトミ

 し前になるが、久しぶりに映画を見に行った。邦画の「プリンセス・トヨトミ」という映画だ。
大阪、しかも私が小学校4年生まで過ごした「空堀(からほり)商店街」が舞台と聞いてどうしても
見たくなったのだ。
 結果的には、ストーリーや設定に「突っ込みどころ」が多すぎて、無理があるなあという感じ。
ただ、楽しめなかったかといえばそうでもない。やはり自分の故郷が舞台ということがずいぶん
大きいんだろう。大阪という独特の風土がああいうお話を生み出すイメージを醸成するという
のはわかる気がした。
 今の空堀商店街は脇道を入ると昔ながらの町屋を改造してしゃれたカフェとか雑貨屋になって
いたりする。上町台地の坂道の多い風情と重なって、ゴミゴミではない、まったりとした大阪が残る
街となっている。
 ただし、私の暮らしていた頃(1960年代)は、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」の世界そのものの
ような感じだった。あるいは、落語のような世界といってもいい。
 「お大尽」は角のお医者さんの家。その家だけお手伝いさんがいて、遊びに行くとドーナツなんかを
出してくれる。向かいは大工さんで、裏庭でカンナかけなんかしている。何軒かとなりの口うるさいおば
さんは、ときどき路地で着物の「洗い張り」をしていた。近所の魚屋さんの兄ちゃんが「なんかコゲ臭い
けど、お宅火の元大丈夫でっか?」と聞いて回っていて実は自分ちの二階がくすぶっていたということも
あって、ほんとに落語のようなエピソードに事かかないところだった。
 そんな長屋の街で私たちはいろんな年齢のこどもたちで走り回って遊んでいた。私も決して「いい子ちゃん」
ではなかったので、近所の豆腐屋の店先で豆腐が入った水槽にゲタを浮かべてしまい、おお怒られしたと
いうこともあったっけ・・。(その後母が買い取った豆腐がうちのごはんのメニューにしばらく続くハメになっ
たことはいうまでもない・・)
 通っていた小学校は戦前からある古い鉄筋の建物で、地下室なんかがあってそこで映画上映もできた。
別の地下への階段の奥は閉鎖されていて「防空壕」の跡らしい。
すこし怖いようなそんな校舎が、「プリンセス・トヨトミ」に出てくる「秘密の通路」と重なって、昔の
光景がどんどん頭によみがえってくる。そんなごくごく私的なノスタルジーと重なった不思議さが
楽しめた原因なんだろうな・・・。



2011年6月29日(水)
2011京都おもちゃばこフォーラム

 都おもちゃばこフォーラムが今年も開催された。先週の土日だ。
市内中心部にある旅館で1泊2日に渡って催されるこのイベント
も今年で17年目。よく続いてきたなあと思う。
 いつも参加してくださる常連の方々と再会を喜び、新たな参加者の方
との出会いを楽しむ。
 ワークショップ、フリーバザールなどを通して、おもちゃ作家が「おもちゃを使う人」
と直接交流できる貴重な場。しかもビジネス的でもないし、学術的でもないすこし
ゆるい楽しい交流なのがいい。


夜のライブショーでの「人形劇団ココン」さんの出し物。
ライトで浮かび上がる箱が操り方によってどんどん形が変化していく。
発想がすばらしい。これもまた「人形劇」なのだ。


パントマイムの山本光洋さんも大受けだった。
こういう濃密なライブショーの夜を過ごせるのもおもちゃばこフォーラムの魅力。
 

Mtoys日記

毎日は書けないけど、、ひごろ考えていることを垣間見てもらえたらいいかな
と思います。