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2011年8月22日(月)
富山県こどもみらい館でおもちゃ教室

 8月20日(土)〜21日(日)は、富山へ。7月から、富山県こどもみらい館でずっと展示している私の個展
「元気印のおもちゃたち」展にともなうおもちゃ教室で行ってきたのだ。
 20日の午後4時頃に富山駅に着く。富山駅は工事中で、少し仮設っぽい駅だった。もうすぐ新幹線がここ
に通るので、駅を改装しているらしい。こどもみらい館の方によると、新幹線への地元の期待はとても高いそ
うで、県民は皆テンションがあがっているとのこと。富山駅から20分ほど在来線に乗って、富山県第二の都市・高岡市へ。
驚いたのは、富山駅でも高岡駅でも裏の白いキップだったことだ。つまり、自動改札ではないということで、駅員が
昔ながらにキップを受け取って判を押すのだ。これはひさしぶりの体験だった。
 とりあえずホテルにチェックインして、夕方の6時にこどもみらい館のFさん、プランナーのTさんとロビーで落ち合い、
食事へと向かう。高岡市内の居酒屋で海の幸を魚に、おもちゃや子どもをめぐる話、児童館の体制(主に指定管理者
制度に関わること)についての話で盛り上がる。プランナーのTさんという女性は、20年くらい前からこどもみらい館に
外部から関わっておられる方で、職員ではない立場だからこそできる企画案や人選をいろいろと提案されてきた。我々
おもちゃ作家にも造詣が深く、「この人のおもちゃは面白い!」という審美眼の確かな方である。皆50代の似たような世代
なのも手伝って、話もはずんだ。

 翌朝、少し早起きしてホテルのバイキング朝食を済ませて、外に散歩に出てみた。歩いて10分くらいで「高岡大仏」に着く。
高さ5mくらいの大仏で、明治時代に再建された比較的新しいもの。その近くの高岡城跡公園まで足を延ばす。お城はもう
ないが、本丸跡は広場になっていた。高岡藩は、加賀藩の「支藩」だったそうで、今は富山県だけどもともとは加賀(石川)
よりの立場だったわけだ。歩いていると、きれいな路面電車が通っているのに出会う。富山県はこの路面電車がなかなか
良くて、かっこいい車両が走っている。ヨーロッパっぽい低床のしゃれた電車なのだ。

高岡市内を走る路面電車(万葉線)
 
 10時頃にみらい館のFさんに迎えにきてもらって、館に向かう。午前中は展示物の修理などをしてすごす。午後からはおも
ちゃ教室。今回はバスケットのフリースローゲームのおもちゃを作っていただく。参加者の中に「おひさしぶりです」と挨拶され
た若いお母さんがおられ、とっさに誰か思いだせなかったが、自己紹介されてわかった。大阪の科学振興の施設に過去に勤め
ておられて私のおもちゃをプレイコーナーで使ってくださっていたのだ。その頃修理などでいろいろやりとりさせていただいた。
 ときどき、各地でこうした出会いがある。長くこの仕事をしてきたからかな・・。
 参加者の皆さんがおもちゃ作りをひと通り終えたところで、皆さんを引き連れて館内の私のおもちゃの展示ギャラリーへ。
おもちゃの前でコンセプトや遊び方を作家自らが説明するという「おもちゃツアー」だ。おもちゃ作りだけでなく、おもちゃ作家の
仕事の全体像にふれることができる有意義な教室となった。


 帰り、特急サンダーバードの中で高岡駅で買ったお弁当を食べる。「富山湾」と名付けられたその弁当がなかなかうまかった。

 

2011年8月19日(金)
お盆

 国から帰って、2日ほど少しぼーっとしたが、次の準備があってぼちぼちと作業をする。
充電式のドリルドライバーと集塵に使っていた乾湿両用の掃除機のふたつがいっぺん
に壊れた。忙しさの中で酷使されてきた機械が壊れたり、動かなくなったりするのはこの時期が多い。
急いでホームセンターに買いに行く。
 
 頼んでいたブナ材が着いた。先日、8月7日、愛媛・松山の帰り際に大五木材さんの材木置き場で、
入荷したブナを見せていただき、いろいろと高橋社長からお話を聞いた上で注文したものだ。
2mほどの材を半分に切ってもらい、10本ほどいただくことにした。なんでもこの材は、旧ソビエト圏
のグルジア産なのだそう。色も、これまでよく見たヨーロッパブナが白かったのに比べて、少し赤い。
国産のブナの色に似ている。厚さが5cm強あるので、挽き割って使うことになるだろう。
早く使ってみたい・・。


 お盆は、12日に名古屋から長男が帰ってきてひさしぶりに家族が揃う。ただ長男も、地元の友だちと飲みに行ったり
遊んだりと夜中までいないので、会ったのは一瞬。
 そういう中、13日は揃って妻の大阪の実家に行くことに。ところが今度は次男がバイトのため、翌14日大阪のその実家
から朝5時起きで「出勤」。コンサートとかイベント、Jリーグのボールボーイなどのスタッフ派遣業者にバイト登録した
のだという。この日は大阪市の舞洲で開かれる巨大なライブイベント「サマーソニック」の裏方の仕事らしい。家族が「大人
所帯」になると、それぞれがそれぞれの予定で動くので「一緒に○○する」ということがあまり無くなってくる。そういうもんな
んだろうな・・。でも、8月が私の誕生日なので長男は今回の帰省で、給料から私にポロシャツをプレゼントとして買ってきて
くれた。こういうことは逆に「子どもが大人になった」からこそ味わえる喜びなのだなとしみじみと思う。
 その日は我々は大阪駅がきれいに生まれ変わったのでちょっと行ってみることにした。中に新しく出来たショッピング
タウン「ルクア」も回ってみた。飲食店街はどこも並んでいて少々うんざり。ファッションゾーンは、ジャーナルスタンダードだの
アーバンリサーチだのビームスだのと若い人向きの服屋が並ぶ。でもけっこう気にいったものが多くていろいろほしくなってし
まった。少々高いのでがまんがまん。
 15日の朝はお墓まいりなどをしてから、帰路に着く。2日間のんびりさせてもらった。

 今年の夏の高校野球もすでに準決勝。今年は京都も大阪も早く負けてしまい、最近東洋大姫路や智弁学園など関西勢が
どんどん敗退していって寂しい。次男が滋賀県の大学に行っているからか、滋賀県代表もなんとなく応援してしまう。
2回戦だったか、滋賀県代表の八幡商と帝京との一戦、八幡商の遠藤君の逆転満塁ホームランにはしびれた。
 
 

2011年8月16日(火)
松山でのおもちゃツアー 3

 日7日は、大五木材さんでのおもちゃ教室。「やじろべーののせっこゲーム」
を作っていただく。大五木材さんでのおもちゃ教室も5回目になるが、ほぼ毎年
参加いただいているおなじみの方も。
 いつも本題のキットに加えて、別売りのキットも用意しているので、今回もそうした
もの(観覧車のおもちゃ、レジスター)を本題完成後作る方が多数いる。部屋には私
の定番おもちゃも多数揃えてあるので、工作を終えた子が自由に遊ぶ。
庭には「木の玉プール」やいろいろな大型の木の遊具もある。広い敷地には、東屋
ふうに作られた「トントンギコギコ広場」もあり、材木屋さんならではのたくさんの端材
で自由に工作もできる。



 午後は、作ったヤジロベーと発射台を使って、乗せて遊ぶいろんなものを私が用意し
参加者と遊ぶ時間。ヤジロベーを乗せるロープウェイや、シーソー、狙って乗せる高さの違う木、
走ってくる上にヤジロベーを乗せる車などなど、ヤジロベーひとつでどれだけあそべるかに
挑戦したのだった。
 一日中、木にふれおもちゃで遊ぶ創造的な時間を提供しようというのが毎年の
大五木材さんのおもちゃ教室のコンセプトだ。しかも、森林環境税事業に申請して
毎年認められて、材料費などの補助も受けられるように尽力されている。
最近は私も題材キットに使う材を愛媛県産の杉を中心に使うようにしていて、地元林業
の振興に少しでもお役にたてば・・と思っている。杉は、製品としての木のおもちゃには少々
使いにくいのだが、工作教室でのキットなどには、けっこう向いている材だ。やわらかくて
ネジや釘を打ちやすいとか、組みやすいとかいう利点がある。

 三日間にわたる松山でのおもちゃ教室ツアーもこれで終了。いつも夕方の高速バス
で帰るのでゆっくり反省会もできないままバタバタと失礼することになる。
 今年はオフの時間がが少なくて、去年のように観光めいたことはできなかったが、四国での
おもちゃ教室は、どこかしら温かい雰囲気があるような気がして、忙しいんだけどのんびりした
気分が残るのだった。

2011年8月11日(木)
松山でのおもちゃ教室ツアー 2

 年は午前中、保育園でのおもちゃ教室の後は半日フリーだったので
北条の海に足をのばし、日帰り温泉などにも行ったりした。今年は午後3時
に潮見小学校のPTA行事でおもちゃ教室をやる予定なので、4時間ほど
の「自由時間」なのだ。
 とりあえず、近くのホームセンターに行き、このあとの準備に必要そうなもの
を買ったりしてすごす。まあ、ホームセンターに行けば、我々作り手の人間は
たいがい退屈せずに時間がすごせる。その後、その近くの回転寿司で昼食。
更に、この付近の国道沿いにある本屋とかユニクロとかに入って買い物したりして
いるうちにいい時間になってきた。結局、松山に来たからこそ過ごせたという場所
には全く行けず、街道沿いの全国どこにでもあるようなお店でヒマをつぶすという
もっとも芸の無いパターンとなってしまった・・・。4時間って微妙です。
 
 小学校に着くと、会場の体育館で大五木材の高橋さんと準備をおこなう。高橋さん
の下のお子さん二人がこの小学校に通っている関係で、PTAにおもちゃ教室を持ちかけて
くださったのだ。
 小さな人形が木の玉を投げる「ミニフリースロー人形」を作ってもらった。1年生から
6年生まで参加者150人が一斉につくるのでそれなりに大変だ。冷房なんてもちろん無い
体育館で汗だくになりながら指導に回る。今日のために特別に作った「巨大フリースロー
人形」も登場させ、子どもたちと思い切り遊ばせてもらった。

10人ずつのグループになって工作する。                          見守っているのは地元で「おもちゃ病院」の活動をされている方。

 ひさしぶりに長い時間子どもたちと遊ぶのは楽しかったが、やはりエネルギーを使う。
PTAのお母さん方が作られたカレーを子どもたちと並んでいただき、(おかわりまで
してしまったが・・)その後、お父さんたちが準備をしている「お化け屋敷」まではおつきあい
する元気が無く(決して「怖いから」ではありません!)失礼することに。(続く)
 
 

2011年8月9日(火)
松山でのおもちゃ教室ツアー 1

 媛県松山市から8月7日に帰ってきた。今回は松山市内だけで3か所の
おもちゃ教室をおこなった。
 8月5日早朝、京都駅から高速バスに乗る。去年乗り遅れてJRで行くハメに
なったので今年は早めに行ってスタンバイ。昼の1時に松山の「市駅」に着く。
松山はJR松山駅の駅前よりも、私鉄である伊予鉄の松山市駅のあたりのほうが
栄えていて、地元では「市駅」と呼ばれている。
 いつもおもちゃ教室の企画をたててくださる大五木材さんに行って少し打ち合わせ
の後、車をお借りしてその日は自由行動。松山での夏の教室ももう5回目になるので
松山の地理もずいぶん覚えた。三津浜のほうにある絵本の店「コッコサン」松山店
に顔を出し、店長のえっちゃんにごあいさつ。(高知店では昨年、おもちゃ教室を企画
していただいた。)今年4月に開店したばかりの松山店だが、広い店内には常連と思わ
れる子どもたちが遊んでいて、すでに地域に定着しつつあるようだ。
 その後、市内中心部に戻り、ホテルに駐車。歩きでお城の登り口付近にある
松山地場産業のアンテナショップ「えひめイズム」をのぞく。ここには今治タオルや砥部焼
などの代表的な物産や木のクラフトや食品などの中で、新しい感覚のセレクト商品が並ぶ。
大五木材さんのオリジナル商品である「森のかけら」や「円き箱」などの木の製品も
もちろん並んでいた。

 翌6日は朝9時から市内の潮見保育園でのおもちゃ教室。「クネクネフィッシュの魚釣り」
を作っていただく。親子でゆったりと工作を楽しんでいただいた。部屋の中に大型積み木で
囲んだ「池」ができていて、できあがって色を塗った子からそこに魚を並べて魚釣り大会。
保育士さんが紙にラミネート加工した魚をたくさん作ってくださっていて、その魚も一緒に
皆は争って釣る。「作ったもので遊ぶという体験を、園としても大切にしていきたい」と園長
先生が語られていた。

潮見保育園のおもちゃ作り教室

 午前11時ごろに保育園での教室も終わり、夕方の潮見小学校でのおもちゃ教室までずい
ぶんと時間があく。さてどうしようかな・・。(続く)

2011年8月5日(金)
千里中央でおもちゃ教室

 月2日と4日は、大阪・千里中央のよみうり文化センターでのおもちゃ教室。
今回の題材は「観覧車」。とても人気があって、当初8月2日のみの実施の予定
だったが、応募多数のため急遽4日にもう一回おこなうことになった。
 小学生中心で、「夏休みの工作の宿題として」作る子も多かったのは毎年の
こと。

 完成後、フェルトを貼ってカラーリングを楽しんでもらうのが最近の私のおもちゃ教室
の定番となっていて、今回も皆ゴンドラ6個を色分けしてきれいに貼り付けていた。
ただ、いつも思うのだが、ゴンドラの形をきちんと型どりしてフェルトに写し取り、
6枚切ってていねいに貼っていくのは女の子。男子は、とにかく貼っていくという感じ
で形はけっこう適当・・。(個人差はあるけどね)この違いが面白く、そして不思議だ。
 マジック(ポスカなど)での着色をしてもらっている時もあるが、最近はこのフェルト
貼りのほうが多い。なぜかというと、塗るより発色がはっきりして効果があること。それと
フェルトという「物体」なので塗料とちがって、いろいろな形に切り抜けるという点。例えば
魚のおもちゃにヒレを作って貼るというように、新たに自分なりの「部品」を作って貼ること
ができるので、工作や造形の可能性が広がるのだ。木工用ボンドで簡単に貼れるという
ことも大きいが。
 
 夏のおもちゃ教室も3分の一が終了した。5日からは四国・松山へ出発する。真夏の
強い日差しの中での四国路、ラジオやテレビでは甲子園(高校野球)・・・という
風景が私にとっての「夏の風物詩」になっている。
 

Mtoys日記

毎日は書けないけど、、ひごろ考えていることを垣間見てもらえたらいいかな
と思います。