次の日の朝、少し早く起きて、ミュージアムの裏山に登る。山道は遊歩道になっていて少し登ると展望台があった。
道の脇の水たまりを見ると氷が張っている。
朝食後、今日の木のおもちゃ教室の準備のため会場に向かう。クリスマス前という時期なので「シーソーサンタ」
という題材を作っていただくことになっている。たくさんの参加者が来てくださった。マンパンマンミュージアムの性格上
やはり3歳〜5歳くらいの子どもたちが多い。親子で手わけして作っていただく。皆さん、ちゃんと完成して午前の部が終了した。
サンタの顔などを自分で工夫してヒゲをつけたりいろいろと楽しんでいただいたのだが、アンパンマンの顔にした方もいた。
昼食はホテルのレストランでカツオのタタキ定食を注文。高知ではやはりこれははずせない。旬は春だそうだが充分
うまかった。学芸員の方と食べていると、若い夫婦が挨拶をしてきた。「一緒に展示させてもらっている武田です。」と聞き
「ああ、初めまして」とご挨拶。今回、もう一人の出展者として木の動物を展示している武田勇馬さんご夫妻だった。
昼食をご一緒しながらいろいろとお話させていただいた。木のおもちゃ作りを始めてそれほど年数が経っていないので
まだ本格的には販売をしていないという32歳の武田さん。制作のこと、デザインのこと、販売のことなど、私に聞きたい
ことがいっぱいあったようだ。
話しこんでいるうちに午後の部の時間の5分前になっていた。あわてて会場に戻る。武田さん夫婦も「勉強のため」と私
のおもちゃ教室に参加してくれた。会場に行くと、知り合いの顔があった。須崎市のほうで自給自足暮らしをしながら夫婦で
家具作家として活動している「刻屋」の植村さんだ。彼女は「お久しぶりです」と、赤ちゃんをだっこしながら挨拶。3人の子連れ
で参加してくれたのだった。そして、話を聞くと、武田さんがこの植村さんの工房を間借りして制作しているというではないか・・。
世の中狭いなあ・・・。また知り合いの輪が広がって、うれしい日になった。
午後の部も終了して、片付けなどをしていると、もうあと1時間ほどで帰りの電車の時間が迫ってきた。皆さんに挨拶をして
早々に土佐山田駅まで送っていただくことに。
帰りの列車もやはり「アンパンマン号」だった。こうして、アンパンマン漬けの二日間が終わった。
出発の前日、この二日間を空けるために注文のおもちゃを7つくらいの荷物に詰めてなんとか出荷し、ぎりぎりの日程で出てきた。
疲れた身体で出発したのだが、高知で新しい出会いもあり、帰りはなんか元気になっている自分に気がついた。
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