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2012年5月4日(金)
連休は半分仕事。

 休は、5月4日〜5日に仕事でイベントがあるので準備などに追われている。
ただ、ゴールデンウィーク9連休の長男が名古屋から帰ってきたので、家族4人で
4月29日〜30日は大阪・富田林の妻の実家へ行ったくらいか。長男は5月4日に
同期の同僚が北海道で結婚式をあげるのでそれに行くと言って5月3日には帰ってい
った。

 今日5月4日は地元の宇治にある木のおもちゃ専門店「キッズいわき・ぱふ」さん
でおもちゃ教室。4月21日からずっと私のおもちゃのフェアをしていただいていて、
連休はその関連イベントとしておもちゃ教室を開催することになったのだ。エムトイ
ズの定番ワークショップであるバスケットボールのおもちゃ「フリースロー」を作って
いただいた。


     
親子で工作を楽しんでいただいた。                      いつものように出来上がったらフリースロー大会

 
ワークショップ以外の時間には、売り場で私のおもちゃのコーナーが設けてあるので、
そこでお客さんに遊び方の説明などをさせていただくことに。大阪・天王寺の郵便局の
方が私のおもちゃ「飛んでキャッチ」をお買い上げくださり、「郵便局の待ち合い所
に置いてお客さんに遊んでいただくつもりです。」とおっしゃっていた。楽しい郵便局
になりそうだ。
 明日はぱふアベノ店で同様のワークショップと売り場でのパフォーマンスの予定。でも、
6日はなにもなくてオフなので、せめてどこか自然の豊かなと
ころへでかけたいなあ・・・。

2012年4月7日(土)
SOCIAL DESIGN COFERENCE 2012

 ーシャルデザイン・・・耳慣れない言葉だけど、「社会貢献のためのデザイン」
あるいは「デザインによる社会貢献」というような意味か。先日、大阪・南港にある大阪
デザイン振興プラザでこういうテーマの展覧会があったのででかけた。
 「ソーシャルデザインカンファレンス2012」と銘打たれたこの展覧会、「エコ」
「BOP(途上国支援)」「地域再生」「震災復興」などをテーマにしたデザイン活動を
紹介するものだ。効率がよく騒音が少ない風力発電装置、お米から生まれたインク、かつ
ぐのではなく転がして大量の水を運べる途上国向け水タンク、紙管による避難所のパーテ
ィションなどなど、科学的な研究成果モノと、デザイナーの発想による効果的なプロダク
トやグラフィックがたくさん並んでいてとても興味深かった。


            
会場風景                     震災後宮城県石巻で開発された「誰でも作れるスツール」


      
新しい風力発電装置       震災支援ボランティア用「一目でわかるできること」   アフリカのため開発された竹製の自転車

 
もともとデザインというものは、単に商品の販売促進のためにだけあるものではなく、
商品そのもの、サービスそのものの社会への貢献度にけっこう大きく関わっていると
思う。例えばハイブリッド車は商品としても現在の燃料事情から魅力的なものであると
同時に、CO2排出の低減という社会への貢献を実現している。それは「技術」の成果と
だけとらえるむきもあるかもしれないが、空気抵抗を低減する形状や運転しやすい操作系
などデザイナーが関わる領域も大きい。つまり、もともとデザイナーは社会性を持った
仕事だといえるし、震災、エネルギー危機、環境汚染など危機的な社会情勢であれば、
逆に「デザインの側からできること」がもっとあるように思う。そういう視点に立った
様々なデザインの業績の一部を今回こうして見せてもらうことができ、「おもちゃ」を
デザインする者としてのたくさんの示唆を与えられた。(ちなみにこの展覧会は4月8日まで)

 会場のATCビルは、バブル期に現在大阪市庁舎になっているWTCビルとともに莫大
な予算をかけて建てられた斬新な建物。しかしながらその活用はうまくいっているとは言
い難く、ATCの中は空きスペース空きテナントが目立つ。ビルの真横は南港が広がり、
ウォーターフロントの景色は気持ちいいのに・・・。水辺の景色が好きな私は、港や海を
みながらコーヒーを飲んでいるとなんか気持ちがスーッとする。


 ATCの内部・この色合いがバブル期らしい雰囲気                        ATCから南港を望む 
 
 南港も私が高校生の頃はこんな立派な建物もなく、フェリー乗り場などがあるだけだった。
高3の時、高校のある富田林から友達のバイクの後ろに乗って南港まで遊びに行った。無免許
で経験もなかった私だが突堤でちょっとバイクに乗ってみたくなり、250ccのバイクにまた
がって乗りまわしていた。慣れてきて少し調子にのってスピードを上げたらうまく曲がれない。
目の前に突堤の端が迫ってくる。『このまま行ったらバイクごと海の中や』とあせった私はとっ
さに自らこけた。倒れたバイクと私はブイーーンという空回りのエンジン音とともにズザーッと
滑っていく。海に落ちる60cmほど手前でぎりぎり止まった・・。バイクはフロントフォークが
少しゆがんだり、タンクがへこんだ程度で済んだので帰りは友達がだましだまし運転して帰れた
のだった。私はというとズボンが破けていたがスリ傷程度で済んだ。
今も「南港」と聞くとあの時のことを思いだす。あの突堤はひょっとしたらこのビルから見えて
いるところだったかも・・・。
 「デザインによる社会貢献」の話題と、高3のときのバカさ加減とのアンバランスさがなんか
情けないなあ・・。



 

2012年3月29日(木)
伊勢へ

 勢に行ってきた。25日〜26日の1泊で行ったのだが、今回は初めて夫婦だけの
旅行。(もちろん、子どもが生まれる前はよく旅行していたのだけど、子どもが生ま
れてからは家族旅行しか行っていなかったので。)2人ともずっと忙しくてなかなか
予定も合わなかったのだが、年度末、妻の仕事が一段落したのを待ってでかけること
にした。

 
  
内宮に流れる五十鈴川の清流。                     境内の大木

 伊勢神宮は小学校の修学旅行以来だった。シンプルな建築が日本的な
デザインのルーツのような気がして興味深かった。普通の神社と違って、
そこここに警察官のような服装の係官がいて、なんか「参拝させてやって
いるんだからおとなしく見ろよ」というような上から目線を感じた。
境内は2千年ちかくの歴史があるので、すごい大木がそこらじゅうにある。
なんか最近の「パワースポット」ブームで、境内の小さな社にも列ができ
ていて、若い人がたくさん並んでいた。パワーがほしいのもわかるけど、
なんの努力もせずに「スポット」に行って「パワーをもらってくる」というのは
なんか違う気がする。
 外宮に車を置いて、5キロほど離れた内宮へと歩くことにした。歩いている
と内宮への道は車ですごい渋滞。『歩いて正解やった』と内心ほくそ笑んだのだった。 
 内宮への参道にある「おはらい町」はとてもにぎやかになっていて、ちょう
ど日曜日だったこともありすごい人だった。

 次の日は鳥羽方面へ車で移動し、「パールロード」と呼ばれる海沿いの道へ。
昼食までは時間があるのでそのルートの近くにある「海の博物館」というところ
へ行ってみた。それほど期待もせずに時間つぶしのつもりで行ったのだが、この
博物館がなかなかよかった。海辺の自然の中に建つ斬新な木造の大きな建物が何
棟もあり、ロケーションがまずいい。展示も、伊勢志摩の港や漁の歴史、あらゆ
る漁の紹介、船の構造、海女の漁、海の環境保全についてなどなど、盛りだくさ
んな内容が、模型や実物、写真などで立体的にわかりやすく展示されていて、特
に興味もなかった我々も引き込まれてしまった。ここなら、もし子どもが小さか
ったら連れてきたら楽しめただろうなと思った。


 
 「海の博物館」内部                   船は実物がこんなに。この実物主義の迫力はミュンヘンのドイツ博物館を思い出す。

 
このパールロード沿いには牡蠣を食べさせる店がたくさんあって、焼き牡蠣
や牡蠣フライなどが楽しめる。その中の一軒の店に入る。レジではじめに注文
して注文を書いた紙をもらい、奥で渡して待つ半セルフ方式でどんどん人をさ
ばいている。レジに立つと、「はい注文は?」となかなか強力なおばちゃんが
聞いてくる。もたもた考えておれない雰囲気。焼き牡蠣と牡蠣フライ、牡蠣ご
はんなどを注文する。「サザエは?」と当然それも注文すべきのようなテンシ
ョンで聞いてくるのだが、そんなに食べられないのでそれは無しに。
 でも、強力なおばちゃんも、帰りは「おいしかった?」と明るく聞いてくれ、
「うんおいしかった。ありがとう」と思わずこちらも笑顔で答えた。

 

2012年3月24日(土)
ETC

 日は、よみうり文化センター千里中央でおもちゃ教室。ビー玉を
乗せてくるくる回る「飛行塔」を作っていただいた。親子での参加が多い
のだが、今日はお父さんと一緒という親子が2組いた。



 雨だったので車で行ったのだが、昨日付けたばかりのETCが活躍した。
阪神高速のキャンペーンで、ネットから申し込むと3000円でETC車
載器が購入できる(セットアップ料金込みで)というのを見つけて申し込
んだのだ。ただし、取り付けは自前でどこかで付けてもらってくれという
ことだった。
送られてきた車載器を持ってカー用品店へ昨日いそいそでかけた。ところ
が「当店で購入された機器でない場合は、取り付けだけというのはやって
ない」といわれ「えっ」と固まってしまったまますごすごと帰ることに。
困ったなあ・・・と思って送られてきた書類を見ていると「デンソー(車
載器のメーカー)特約店で取り付けをします。」とある。京都の特約店を
探すと「宇治市小倉・・・」とすぐ近くにあるではないか・・。そこにTE
Lをかけて、その日にやってもらうことに。取り付け工賃は5,250円
かかったが合計8,250円で付けられたのはまあまあ安かったといえるかな。
 料金所のETCレーンで、カシャっとバーが上がるのを見て一人でテン
ションが上がっていた私だった。しかし、携帯にしてもETCにしても、
世の中とっくにその時代になってから重い腰をあげてやりだすというへそ曲
がりぶりはあいかわらずか・・。

2012年3月19日(月)
講演会を聞きに行く

 日の日曜日は、家の近くにある京都大学宇治キャンパスへ。
ここにある宇治おおばくプラザは、地域に開かれた施設として最近
オープンしたもので、この日はここのホールで開かれた講演会に
行ったのだ。


 
講師は児童精神科医の石川憲彦氏。(こどもの障害を、個人的な発達障害
としてのみ見るのではなく、社会的な観点からとらえている。私も時々読む、
毛利子来氏や山田真氏が代表を務めるこども関係のムック誌「ちいさい お
おきい よわい つよい」の編集委員もされている。著書「子育ての社会学」
朝日文庫、「こどもと出会い別れるまで」ジャパンマシニスト社。等)


 
講演内容はこどもの発達障害、とりわけ「ADHD」「アスペルガー」など
についての話。少し極端に「多動」であったり、逆に強い「こだわり」があっ
たりする特徴を持つ子は確かに存在するのだけど、社会が効率化し、情報化
するにしたがってそこからはずれるこのような子どもを「判定」したり「診断」
したりして「分けて」いこうとする構造があるという問題点をまず話された。
(「過剰診断」という問題も出て来ている。)またそういう判定によって医療
や薬品関係が潤うという皮肉も。
 もちろん、判定や診断がすべて悪いというのではないが、「変わった子」を
判定してはずしていく社会というのが本当にいい社会なのかどうか、多動な子、
こだわりのきつい子も包括したバランスの中で営まれる社会こそが、他の弱者
(高齢者、身体障害者、被災者、貧困者などなど)も生きやすい社会になりうる
のではないかということが、話を聞いていて浮かびあがってくる。
お話の中では、その対極として今話題の橋下流改革のこともでてきて、効率化や
競争原理を強調する彼の手法が、なにをもたらすのかな・・・とうすら寒い思い
をいだいた。

 今回のこの講演会は、常々賛助会員として関わらせてもらっている障害児療育
施設ころぽっくるの家を主宰する亀口氏が研究者や実践家、医者などと立ちあげ
た「子ども社会臨床研究会」の旗揚げの催し。「福祉現場におけるおもちゃの役割」
を探る上でも、とても勉強になる講演だった。



2012年3月10日(土)
おもちゃとは?遊びとは?

 らない人どうしでも、赤ちゃんと大人でも、外国の人でも言葉が
いらずに仲良くなれる魔法の道具。それがおもちゃだ。そんなおもちゃの
特性とその元となる「遊び」について考察し、話をさせていただく機会が
あった。龍谷大学の短期大学部の社会福祉学科とこども教育学科の先生方
の研修で講義をさせていただいたのだが、大学の先生の前で「講義」らし
きことをするということで、ずいぶんプレッシャーを感じていた。
 自分のおもちゃの実物を披露したり、資料写真をプロジェクターで写し
たりしながらなんとか1時間ほどの話を終えた。結果としては私がおもちゃ
や遊びについて提起した概念に先生方も共感いただいたり論議のキーワード
にしていただいたりして、問題提起にはなったかなと思っている。私も自分
が生業としている「おもちゃ」について少し深く考える機会を与えていただ
いてよかったなと思う。


 
講義の後、先生方の有志と大学の近所の料理屋さんで食事会。とても
古い建物の料理屋で、まるで幕末の志士が会合に使っていたかのような感じ。
階段の下から新撰組が上がってきそうだった。


 東日本大震災からもう1年。あの日の翌日に大阪・堺市の大型児童館
ビックバンで、グループ・エトセトラの作品展示会とワークショップを
開いていて、重苦しい気持ちをこらえながら仕事をしたことがよみがえる。


 
今日の夕方のニュースで作家の高村薫氏が震災後1年にふれて「大きな災害
を受けて、日本は思い切ったかじ取りを迫られて、やらなければならないこと、
すっぱりとやめなければならないことなどを思い切らなければならなかったは
ずだ。ところが現在、例えば原発のことでも、再開をうかがうような動きがなし
崩し的に進められていて、なんか全体として後退しているように感じる」とおっ
しゃっていた。本当にそうだなと思う。
 原発の事故はまだ続いている。冷却後の汚染水や汚染物質は膨大に増え続けて
いるし、廃炉のメドもたたない。脱原発がいいか、それなら電力不足でもいいの
かと「究極の選択」のように問題がすり替えられているけど、「節電のつらさや
経済への打撃があるから、少々の命の危険はがまんしろ」と言っているのと同じ
だと思う。


2012年3月6日(火)
東粟倉おもちゃ村

 月5日の月曜日、岡山県美作市の旧東粟倉村へ。インフォメーションの
ページでもお知らせしているが、3月17日に「東粟倉おもちゃ村」という新し
いおもちゃの博物館がオープンする。この施設ができるまでの経過はすでにこの
日記でお伝えしている通り。 この日は、Mtoysもその一員であるおもちゃ作家
グループ「エトセトラ」のメンバーで、展示作品の搬入と、展示ケースなどの掃
除や他の作家作品の展示などのお手伝いもさせていただいた。
 その日は雨で、けっこう暖かい日だったが、山の中にある博物館横には雪が残
っていた。展示室はまだ暖房もなく、底冷えする中を皆で作業した。立ちあげメ
ンバーの村の方々と共に、閉館後そのままになっている古い蛍光灯を換えたり、
膨大な数のガラス扉やガラス棚を一枚一枚ぞうきんでふいたりといった地味な作
業が続く。唯一暖房の入っている事務室で休憩しながら談笑する時間は、ほっと
するとともに、共通の理想をもって作業する仲間意識みたいなものが流れていて、
前途多難ではあるものの希望もたくさん感じられた。



今後も展示作品に日本全国で創作おもちゃを作っている作家、デザイナー
の作品がたくさん集まりそうだ。常設でこうした作品が見れる博物館は全
国でもあまりないと思う。今後、我々もここでのおもちゃ教室などもやっ
ていきたいと思っているので、たくさんの方が訪れてくださることを願っ
ている。

 
 

Mtoys日記

毎日は書けないけど、、ひごろ考えていることを垣間見てもらえたらいいかな
と思います。