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2012年7月9日(月)
醍醐寺

 雨の晴れ間となった日曜日、ひさしぶりに歩きに行くことにした。近くの醍醐寺の方面に
でかける。足首の剥離骨折が完治していない妻は醍醐寺境内に残ってスケッチをするというので
私は上醍醐(山の上にある奥の院)方面に登る山道へ。久しぶりの山道なのでしんどいかなあ
とびびりながらスタートしたが意外と身体は軽く、かなり上まで登って行けた。木々におおわれた
山道はとても涼しい。時間が遅かったので30分ほど登ったところでUターン。しっかり汗をかいて
とても気持ちがよかった。ずっと仕事が忙しくてなかなか出かけられなかったのだが、やはり自然
の中は癒される。
 題醐寺境内に戻り、私もスケッチを少しすることに。山登りで疲れているのだが、使う神経がまったく
違うので、これはこれで心静かにリラックスできる。集中して描いていたら夕方5時近くになり、そろそろ
閉門の時間。ゴーーーンと合図の鐘が鳴る。急いで片付けて帰路に着く。入口の仁王門に着くと
すでに竹が3本水平にかけられていて出ることができない・・。困っていると作務衣を着た若いお坊さん
が走ってきて開けてくれた。修行中の方なんだろうか・・対応がとても気持ちよかった。ここは弘法大師
を開祖とする「真言宗」のお寺。総本山は高野山だ。一方、京都に近い比叡山は「天台宗」の総本山で
開祖は最澄。空海と最澄がたもとを分かってからこの両派は、同じ密教系でありながら1000年ちかく
絶縁状態であったこと、そして21世紀になってからようやく双方のトップが手をとりあったということを
TV番組でやっていた。



 
これからが夏本番。各地での出張おもちゃ教室が続くが、暑さにまけずに乗り切りたい。そのためにも
時々こういう1日を作ってリフレッシュしないといけないな。

2012年6月26日(火)
2012おもちゃばこフォーラム

 月23日〜24日は毎年開催している「おもちゃばこフォーラム京都」。おもちゃ
を切り口にした、ワークショップありライブショーありフリーバザールありトークありの
イベントだ。今年で18年目を迎えたが(私、エムトイズも初回からスタッフとして参加)
1泊二日で参加費2万円弱のこの催しに全国各地から100名近い方々が一般参加
してくださる。
 参加者で多いのはやはり保育士さん、幼稚園教諭、児童館職員などこどもに関わる
お仕事の方々。楽しみながらいろいろと役に立つと、リピーターも多いし、新たに若い
同僚を連れて来る方も。今年は沖縄からも4人の方が参加された。
 今年は子連れ参加者のお子さんたちは女の子が多かった。私のコーナーでは「メイズ」
という迷路を作るおもちゃでじっくり遊びこんでいた。たたいたりころがしたりと、動きが
激しいおもちゃが多い私のコーナーは毎年やんちゃ坊主のたまり場になるのだが今年は
そういうわけで少し勝手が違った。


 
ホテル「ウオジ苑」の大広間がメイン会場                           恒例 夜のライブショー 渡辺あきらさんのジャグリングのシーン

 
おもちゃばこフォーラムの魅力は、スタッフも含めて、参加者皆が「遊ぼう!」「面白い
ものみつけよう!」という気持ちで参加していることだ。すきあらば自分がみつけてきた面白い
モノを披露したい人たちが揃っている。そういう雰囲気が「また来年も来たい!」という気持ち
を生み出すんだろうなと思う。18年も続いてるってすごいなあと主催者側なのに思ってしまうのだ。


2012年6月6日(水)
夏にむけて

 年、今頃から各地での夏のおもちゃ教室の準備がはじまる。教室で作っていただく
おもちゃの題材を考えるのがけっこう大変。できるだけ新しいものを開発していきたいので
アイデアを出すのに苦労する。もちろん、これまでの定番の題材もあって、いわゆる「鉄板
ネタ」もあるので、初めての場所なんかの場合、定番をやらせていただくことも多い。
 今年の新しい題材としては写真の「コリントビンゴゲーム」と「キックボーイ」がある。自分で
遊んでみて「これは面白い」と思ってネタに採用するわけだが、はたして喜んでいただけるだ
ろうか?


コリントビンゴゲーム:ビー玉が縦・横・斜めに並ぶとビンゴ成立。   キックボーイ:ドリブルしながらキックできる。フリーキックもできる。

2012年5月30日(水)
日曜日は奈良へ

 の前の日曜日は奈良に歩きに行った。4月に妻が右足首を剥離骨折してしまったので
よたよたと足をひきずりながらしか歩けないので今回は車で行くことに。奈良公園の猿沢の池
あたりで妻が本を読んだりスケッチをしたりしている間に私だけが歩くことにした。若草山ま
で歩いていって、山の横の道を登る。
少しハアハアと息使いは荒くなるがほどなく若草山頂上に着く。市内が見渡せてとても気持ち
がいい。ただ、子ども15人くらいの団体がいて、引率者らしきおじさんがしきりにどなって
いる。「ほらそこにかばんおいたらあかんやろ!」「こら!そんなとこまで行くな!」「食べ
たものをちらかすな!」などなどずーっとどなっている。
『声をからしてしんどいわりには効果のないパターンやな・・・』と内心突っ込んでしまう。
『はじめにルールを決める。リーダーになる子を決めておく。グループわけする。とか工夫し
たら烏合の衆にならんと、比較的どならんでも子どもも自主的に動くのになあ・・・』などと、
人ごとの気楽さもあってだが、教員時代の経験でついついそんなことを考えてしまう。

若草山を下ってから公園内をひたすら歩いて猿沢の池まで戻る。天気も良かったのですっかり汗
をかいた。



戻ってから私も少しスケッチをしてみる。妻は素人なので、描いている絵にあまり口出しはしたく
ないのだが、どうしても、デッサンが狂っていたり、明暗のトーンがとらえきれていないとつい
口出しをしてしまう。でも、本人は「うまく描けた!」と満足げだった。
 奈良公園は広い草原がたくさんあってどこにでも腰を下ろせるのだが、油断しているとどこに
でも鹿のフンがある。敷物は必需品だ。

 その後、落ち着いた街並みが残る「ならまち」周辺でカフェを探してみる。雑貨屋さんの奥に
入ると広い和室で落ち着けるカフェがあったのでそこに入ることに。間口を見るとそんなに大きく
ないつくりに見えるが、京都の町屋のように奥に長い構造で、庭もあってなかなかいい雰囲気だった。


マンゴーパフェを注文。おっさん一人だとなかなかこんなもの頼めないけど、二人連れだと
大丈夫。

2012年5月24日(木)
静岡の中学生が

 岡から中学生がやってきた。修学旅行の途中に「職場見学」をメニュー
として入れている静岡市の中学校から何故かうちに依頼があったのだ。10年く
らい前に出版された「京の職人100人」というような本にたまたま私が載って
いて、エムトイズアトリエにも白羽の矢が立ったというわけだ。
 依頼の往復ハガキの返事に「住宅街にあってわかりにくいので地図が必要なら
言ってください。」と書いておいたのだが、当日まで特に要請はなかった。
 当日になって、約束の時間が近づいてくる。電話が鳴った。「あのー訪問させて
いただくことになっている静岡市○○中学のものですが」とたどたどしい挨拶に続き、
「今、何々工業という会社の前にいるんですけど」と全然知らない名前が出て、彼ら
がどこにいるのかが全くわからない。駅からどう歩いたかを聞き出してみて、なんと
か道順を指示。10分ほど待つと、家の前で中学生らしき声が・・。出て行って「君
らかな?」と聞くと「はい」とのこと。うまくたどりついたなとほっとしたのも束の間、
「残りの3人とはぐれてしまったんです。」「えっ!なんで?」「えっとあのージュー
ス買ってたらなんかはぐれてしまって・・・」といかにも男子中学生らしいのんきな答え。
 聞いてみると、はぐれた3人の一人は学校から配布された携帯電話を持っているとい
うことで、「じゃあかけてみて」と言うと「いや、直接はかけられなくて本部の先生に
連絡をとってそいつらの場所をGPSで探ってもらうことになってるんです。」となに
やら回りくどい体制になっている・・。
 「じゃあ、車出すから誰か一人乗って。本部から君の携帯にGPSの情報がはいった
らそこへ迎えに行こう」と走り出した。しばらくするとその子の配布携帯が鳴る。「宇
治病院のあたりとか言ってます」と言うので「よし、わかった」とハンドルを切る。し
かし、宇治病院に行っても3人の姿は無い。すでにそこから歩いてどこかへ行っている
感じ。こうなると探しようがない・・。でも行きあたりばったりで付近の小道を車でぐ
るぐる回ってみる。5〜6分走っただろうか、前に中学生の3人組を発見!近づいて声
をかけ、車に乗せる。
 やっと全員揃ったので、工房に戻る。工房で待たしていた先着組と一緒に、「作家へ
の質問」とかに答え、私のおもちゃを披露し、すこし工作キットを作らせたりして体験
終了。喜んで帰っていった。
 大変だったが、なぜか腹はたたない。自分の息子たちが中学生だった頃、きっと
こんなドジをふんでいたはずだろうな・・・と思うとほほえましく思えてしまうのだ。
 
 午前中の訪問の子たちに続き、午後からも10人くることになっていた。
また電話が鳴る。「あのー○○幼稚園というところにいるんですけど」とこれまた見当
違いの場所の名を出してくる・・・。『またまたやってくれてるな』と思いつつ、また
道を指示。するとまたTELがあって「添乗員の人に会ったのでその人と一緒に行きま
す。」とのこと。この修学旅行を請け負った旅行会社の添乗員さんも職場見学の企画の
間はうろうろして迷った中学生のフォローをしているのだった。若い添乗員さんが汗だ
くになって彼らを案内して連れてきてくれた。
 『午後からの子らはうまくたどりついてくれたな』と安心しかけた時、電話が鳴った。
「あのー今日うかがう静岡の○○中学の・・」とまたまたたどたどしい中学生の声。連
れてきてもらったのは半分の5名で、別の班の5名は別行動でむかっていたということ
が判明。しかも電話口では「今、竹田っていう駅にいるんですけど」とまったく離れた
京都市内の伏見区の地名が出てくる・・・。『えっなんで?』とあっけにとられつつ、
乗る電車を教え、とにかく最寄りの駅に向かわせることに。
 結局、先に着いた5名だけで体験を済ませ、残りのとんでもない駅に行ってた5人は
とにかく着くのを待つことに。
そして、3時半すぎ、ようやくたどりついた5人は青い顔をして、「大変遅れて申し訳あ
りません」とふるえんばかりの縮こまりぶりだった。(たぶん、本部の先生から「着いた
らまずそう言ってちゃんとあやまりなさい」と言われたんだろうなあ・・・)
それがまたおかしくて、笑いをこらえながら最後の組の体験を済ませたのだった。


工房で工作体験する中学生たち

以前、京都市の中学校から同様の依頼があって訪問を受けた時は、男女混合の班だった。
やはり女の子が混じっていると、挨拶や質問などが的確で、しっかりしていた。どうも
男子中学生ばかりだといまいち現実感覚にとぼしくて呑気というのかおバカな面も多く
て笑える。自分が中学生の時もたぶん同じだったろうなあ・・。

2012年5月15日(火)
5月の倉敷で

 年の倉敷は二日間とも気持ちのいい天気だった。恒例の
「フィールドオブクラフト 倉敷」も今年で7回目となる。
 前日から岡山入りして、いつも会うグラフィックデザイナーのK
さんの事務所へ。最近取り組んでいる仕事のお話などを聞き、
コラボできることも少し見えてきた。夕方からは倉敷に移動して
おもちゃ作家仲間の若林さん、糸日谷さんと一緒におもちゃ作家
の先輩小黒三郎さんのアトリエに向かう。小黒さんアトリエでわい
わいと話しながら会食。小黒さんが最近毎年行かれている韓国
での組み木教室の話などをうかがう。

 翌日からはクラフトフェア本番。私はここ3年ほどずっとワークショップ
コーナー担当で、3種のおもちゃキットを用意していった。
『足りるかな・・・』と若干の不安はあったものの『80セット近くあるし
他のコーナーもあるから大丈夫だろう』とたかをくくっていた。
 しかしながらふたを開けてみると、天気がいいので会場は大盛況。
1日目で用意したキットがなくなりそうな勢い。あわてて翌日のぶんを
とり置いて、限定数にして実施した。おそらく倍のキットを用意していても
無くなったのではないかなと思われた。特に「はばたく鳥のモビール」が人気
で、キットが完売してからも、完成見本を特別にわけてほしいと言ってくる人や、
自分で木を買って作ってみるから作り方を教えてほしいという方などなど、
あきらめきれない方がたくさんおられた。お昼は、美観地区にあるうどん屋さん
「おおにし」へ。手打ちのうどんがとてもうまい。



 
そんなわけで盛況のうちに二日目は早々とキットがなくなってしまい、午後3時ごろには
終了した。少し、倉敷の街をぶらぶらしに行く。美観地区の壕川のまわりはすごい人だかり。
見ると、花嫁さんがゆっくりと船にゆられてくる。これは本当の結婚式ではなくて、「ハートランド
倉敷」というイベントの一環なのだそう。
 今年の倉敷は観光客も多く活気があった。

2012年5月5日(土)
大阪・アベノにて

 どもの日の今日、木のおもちゃ店「キッズいわき・ぱふ」の大阪アベノ店にて
おもちゃ教室。宇治店と同じくバスケットボールのおもちゃ「フリースロー」を作って
いただいた。
 作る時間は30分くらいでできるのだが、あとはマーカーペンなどで選手人形や
ボールに着色したりする時間、そしてゴールに入れる遊びの時間がけっこう長い。
作りっぱなしではなくてできるだけ作ったもので遊んでほしいと思っているので、
こちらの狙い通りだった。
 今日はぱふのオーナーである岩城さんが店に来てくれたので、私のおもちゃを
お客さんに説明してくれる説得力はさすがだなと思わせられた。
 夕方、店を失礼して岩城さんと居酒屋へ。長年のつきあいだが、こうして2人で
じっくり話したことはなかったので、おもちゃ業界のこと、経営のこと、おもちゃ作家
への思いなどなどなかなか濃い話ができたように思う。彼も私もある意味「志」を
持っておもちゃ業界にいるので、作家と小売店とスタンスは違うものの、通じ合う
ところは多い。


      お店の一角でおもちゃ教室                         フェア用の私のおもちゃ商品の特設コーナー

Mtoys日記

毎日は書けないけど、、ひごろ考えていることを垣間見てもらえたらいいかな
と思います。