梅雨まっただ中の6月25日〜26日、毎年恒例の「おもちゃ
ばこフォーラム京都」が開催された。今年の会場は、本能寺会館。
京都市役所の真向かいにある便利な場所。例年、畳の大広間で、
ぺったりすわってやるのが定番だったが、今年からは会議机とイス。
おもちゃばこフォーラム独特の雰囲気が変わってしまうのでどうか
な・・と思われたが、これが意外とスタッフにも参加者にも好評。
畳だと一か所に長居するときはいいのだが次の場所に移動する時「よ
っこらしょ」という感じになるが、イスだとさっと動けるという利点
が大きかったかな。会場の広さもだいぶ大きくなったのでたくさんの
人の動線もラクだった。
お子さん連れで家族で参加する方も何組もいる。参加費はけっこう
かかってしまうのだが、ワークショップ、ライブショー、宿泊、こど
もプログラム、講演など思い切り楽しんで「元をとって」帰っていか
れる。
最近、京都で土日に宿をとるのはとても困難になっていて、価格も
高騰している。そんな中で、京都で1泊してワークショップ、ライブ
などを楽しんで過ごせるこのおもちゃばこフォーラムはかえって「安
い」といえるのかもしれない。
毎年、この会場でだけお会いする人もたくさんいて、1年ぶりの再
会を楽しむ。このイベントの合言葉である「おもちゃをはさんで一緒
になって遊んだり考えたりしよう」という光景が文字通りそこここで
展開されるので、いつも充実した二日間となる。
夜、我々おもちゃ作家は、「夜のワークショップ」と銘打ったプロ
グラムを担当していて、申し込んだ方々とじっくりとものづくりを
する。私の用意した今年の題材は「小鳥のモビール」。ポスカなどの
マジック類で色を塗ってもらうと、どうしてもどぎつい感じの色味に
なり、厚塗りになってどうも私はあまり好きではないので今回はアク
リル絵具を用意した。ただ、どうしても時間がかかってしまい予定時
間を30分くらいオーバーしてやっと終了。その後、フリータイムに
なるが、話の輪ができたり、ボードゲーム大会が始まったりして、皆
なかなか寝ない。我々スタッフは、年齢も高くなってきたこともあり、
早目に就寝。私は部屋のクーラーが寒くて、しょっちゅう目が覚めて
しまい、あまり寝られなかった。
すべてのプログラムが終わるのが、26日の午後3時。参加者の皆
さんが帰った後、スタッフが車座になって簡単な反省会。参加者のア
ンケートを回覧するのが恒例。宿泊してのイベントなので、参加者への
配慮などもけっこう細かくなる。ばーっと無料で人を集めて「盛況」を
誇るイベントは一見すごい。だが、決して安くない参加費でもなおかつ
来てもらえるこのおもちゃばこフォーラムは、質の高いコンテンツと、
滞在型のじっくりした交流、部屋や食事などホテルそのもののサービス
面などなど、きめ細かい配慮が求められる。だからこそ、こうして参加
者の声を即座にアンケートで、皆が確認して次に活かしてきたことが、
23年も続けてこられた秘訣のひとつなのだと思っている。
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