Mtoys日記       
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2016年10月10日(月)
あいちトリエンナーレ2016

 久しぶりに名古屋へ。去年の早春に知多半島に行って以来だ。
昨年結婚して名古屋近郊に住んでいる長男の新居にまだ行っ
たことがなかったので、そこにちょっと夫婦で行くのと、「あ
いちトリエンナーレ」という現代アートのイベントを見るのを
兼ねて出かけた。
 連休の1日目(10月8日の土曜日)だったので渋滞してい
るかなと思ったが、意外とそうでもなく、午前10時半に出て、
昼食をはさんでも午後2時前には知立に着いた。彼らのマンショ
ンは、イケアや無印の家具で統一してすっきりした感じにしてい
て、『楽しく暮らせているんだな』と安心。夕方になり、長男夫
婦が予約してくれていた鉄板焼きのお店で会食。若い二人がみつ
けたなかなかおしゃれな店で少し工夫を加えた鉄板焼きのコース
料理を堪能した。とくに大アサリの入ったアクアパッツァがとて
もうまかった。どうも名古屋圏は「大アサリ」とか「大ハマグリ」
とか「大エビフライ」とかでかいものがお好きなよう。

 その夜は名古屋市内に戻り、中心部栄あたりにあるホテルで1
泊。夫婦で泊まりで出かけたのは2年ぶりだ。同居している私の
母(85歳)が最近はいろいろと弱ってきて、なかなか夫婦そろ
って泊りがけで出かけてしまうというのが難しくなってきている
のだ。でも、最近けっこう元気なので、なんとか1泊だけ家を空
けられたというわけ。部屋に入って、私は寝るときに着るジャー
ジを忘れてきたことに気付く・・。コンビニには売ってないだろ
うなあ・・と考えていると、ホテルの近くに「ドンキホーテ」が
あったのを思いだした。時間はもう10時前だけどあそこなら開
いているはず・・とでかけてみる。ドンキの中は外国人が多かっ
た。なんとか安物のジャージを見つけて購入。

 次の日、長男夫婦と一緒に、トリエンナーレを見て回ることに
した。ホテルのすぐ近くの愛知芸術文化センターで待ち合わせし
て、ここの展示から見ていくことにする。
 このあいちトリエンナーレも今年で3回目なのだが、前回の第
2回も3年前に見に来た。規模的には前回のほうが大きかったよ
うに思う。
 愛知芸術文化センター、名古屋市美術館、栄のビル何か所か、
長者町の何か所かのビル、と名古屋市内の展示会場を順番に回っ
ていった。
 展示の中では、日本やアフリカ、パレスチナ自治区、中国、イ
ンドなどの学校の机の上にキャンバスを一定期間固定して貼り付
け、そこに書かれた「落書き」を収集したプロジェクトが面白か
った。各国の子供たちの違いや共通点をいろいろ見つけることが
できるし、なによりひとつひとつの「落書き」がなんかアートに
なっているのだ。他には、工事現場の資材のゴミが雑然ところが
っているだけのフロアを、回りにへばりつくように付けられた通
路からただ眺めるという作品もあった。「アート」と言ってしま
ったもん勝ちみたいなこういう自由さが好きだ。



パレスチナの子どもの机の「落書き」

 歩き疲れて、お昼。長男の嫁が名古屋の子なので、よく知って
いるというサンドイッチのおいしいお店に案内してくれた。エビ
フライをはさんだサンドイッチがそこの名物で、とてもおいしか
った。
 午後からも、市内の会場を巡る。会場でもらうスタンプが市内
ぶんはコンプリートできた。時間はもう5時をすぎて、薄暗くな
ってきた。息子たちと別れて、帰ることに。帰りも渋滞はなく、
すんなりと帰れた。雨も降らずさわやかな2日間だった。
 
 

2016年10月3日(月)
アート&クラフトフェス 丹波

 の丹波に行ってきた。・・・と言いたいところだが
ちっとも秋らしくなく蒸し暑く、夏の丹波といったほうが
ふさわしい1日だった。(10月2日の日曜日の話。)
 兵庫県丹波市にある「丹波年輪の里」で開催されるクラフト
フェア「アート&クラフトフェスティバル 丹波」という
イベントなのだが、何年か前までは、15年くらい続けて毎年
出展していた。だが、ここんところ制作に追われて、こういう
イベントは極力パスするようになってしまった。



 そういうわけで「お客さん」という気楽な立場で、夫婦で
ぶらりと見に行ったわけ。まず、年輪の里の建物内で行
われている木の創作玩具の公募展の作品展を見る。以前
宇治のおもちゃ屋さんに勤めながら私の工房に手伝いに
来てくれていたIさんの作品もあった。(Iさんは現在は有馬
玩具博物館のスタッフになっている)やじろべえの原理なの
だが、二本足で立っているので揺らすと左右の足を交互に
つきながら回るのだ。動きが面白いおもちゃだ。賞に入って
もいいんじゃないかな・・と個人的には思った。



 建物を出ると、元日本おもちゃ会議の久保さんにばったり。
東京の方なのだが、今回公募展でグランプリを受賞されたの
で、授賞式に来られていたのだ。2月に世田谷のギャラリー
でお会いしているので、なんかご縁があるなあと思った。
 会場を回ると出展者の知り合いにいろいろと出会う。からくり
系の玩具作家・蓮渓さん一家に会い、ひとしきりお話しがはずむ。
岡山県の美作市東粟倉の家具作家・野間さんにも遭遇。「お互い
ふけたなあ」という挨拶から始まる。妻が野間さん制作の木の器
が気に入り、2つ購入。私は、梶原糸鋸刃製作所の糸鋸刃(手仕
上げでよく切れる)や、木材(ブラックチェリー)などを購入し
てすっかり「お客さん」気分を満喫。
 3時前に会場を出て、近くの農産物直売所に寄り、栗や野菜
など丹波の新鮮な農産物を買う。
 まだ少し早いので、年輪の里のある柏原町の役場付近にある
「丹波黎明館」という洋館に立ち寄る。ここは明治時代には学校
だったということで、その後いろいろなことに使われてきた風格
ある建物。ここが最近、講演やコンサートなどができるホールと
カフェやレストラン、クラフトショップなどが入った施設にリニ
ューアルされた。1階にあるクラフトショップには、丹波在住の
知り合いの木工作家・奥田さんの作品も展示販売されていた。

 秋らしい季節感にはまだ早かったが、のんびりとさせてもらっ
た。あんまり運動はできなかったけど。



2016年9月19日(月)
竹中大工道具館

 い間行きたいと思っていた「竹中大工道具館」にやっ
と行くことができた。連休1日目18日の日曜日。

 この博物館は、新神戸駅のすぐ近くにあり、もともとは
竹中工務店社長のお屋敷だったところ。立派な庭もある。
 入って受付で入場料を払っていると「午後2時からボラ
ンティアによるガイドを受けながら展示を見ることができま
すよ」と教えてくれた。2時になってボランティアのおじさ
んが現れ、順番に展示物を詳しく説明していただき、質問な
どもしながらじっくり1時間半ほど見て回った。普通に見る
よりもいろいろなお話が聞け、とても有意義だった。
 見ながら、『なぜ日本人はこんなに精緻な継手を工夫した
り、細かい技法を発達させたのだろうか?』という疑問が
わいてきた。大陸から渡ってきた技法や道具がもとになって
いるとはいえ、奈良時代くらいからすでに独自の進化をして
きたように思える。
 四季の変化や自然災害の多さなどに耐えうる建築という
日本独特の命題があったからかもしれない。木が豊富だった
から石造りなどの工法があまり発達しないぶん、木で作り出
す技法がどんどん進化したのかもしれない。そしてそれを可
能にするために道具も進化した。
 私なんかは、ふだん電動工具にたよっているので、手道具
はポイント的にしか使わない。だが、昔の仕事を見ると、機
械でしかできないと思うような精度の加工が手道具でなされ
ている。『えっ?手の加減でどうやってここまでの精度を出
すの?』と信じられない思いだ。やはり「手加減」って大事
だ。自分のおもちゃが「手加減を育てるおもちゃ」というアピ
ールを日頃しているので、「人間の手加減の力はモノづくりの
基礎になる」という実例を見せてもらった思い。
 ただ、道具はこうして博物館に残っていくのだが、それを
使いこなす職人の技は果たしてどこまで残っているのだろうか?

 説明をしていただいたおかげで、木工や道具についてあま
り知らない妻にもとてもわかりやすかったようで、日本の道
具と職人の技術にしきりに感心していた。

 
竹中大工道具館の庭               年季の入った名品

 博物館を出るころはすでに午後4時頃。ぶらぶらと歩いて
元町方面へ。少し時間をつぶしてから 例によって、中華街
で、小籠包や青菜炒め、チャーハンなどなどうまい中華を食
べて帰った。

2016年9月15日(木)
茶源郷和束ビジネスカレッジ

 い山道を、車で和束町へ急ぐ。14日の夜6時頃の話。
山道を抜けて「グリンティ和束」の建物に着く。
 この日、和束町雇用促進協議会が主催する連続セミナー
「茶源郷和束ビジネスカレッジ」の第一日目。「森林を活用
した教育プログラムの担い手育成」と題した連続セミナー。
3人の講師が順番に担当する。一日目の講師は、東京おも
ちゃ美術館館長の多田千尋氏。多田さんに「お久しぶりです。」
挨拶。まさか私と和束町で会うとは思っておられなかったよう
で、びっくりしておられた。開会までの間しばし懇談。


多田氏のお話は、「ウッドスタート宣言」をした自治体の実例など。

 第二回から第五回までは、NPO法人グリーンネットワークの
小野敦さんという方。森の生木を使ったクラフトなどの紹介を
してくださるそうだ。そして、第六回から最後の第9回までが私。
木のおもちゃについての話や、林業復興との関連などについて実
習を交えたセミナーを行う。
 実は、和束町雇用促進協議会より依頼を受け、ずっと木製品
(おもちゃ)の開発に関わっている。ただ、製品を製造するだけ
の木工施設も人も確立していないので、当面は、木工体験施設「
桶力」を拠点とした木のおもちゃキットの活用をめざしている。
私はそのキットのデザインや試作などをまかされているわけだ。
 セミナーのほうは、もう少し大きい視点で、和束町としての林
業復興やビジネス化できるようなプログラム作りとその担い手
の育成をめざしており、コンテンツの部分で関わっている私が講師
もさせていただくことになったのだ。



 和束町向けの木のおもちゃキットはすでに5種完成している。
まだお見せできないが、和束町らしさをこめたものになっている。
 すでにここに関わって半年くらいになるが、新聞などでこの地域
の記事が出ると注目してしまう。すでにこの小さな町のことがとて
も気になる存在になっているのだ。そういえば、多田さんも、講演の
冒頭で「今日、レンタカーで山道を抜けて、ぱっと視界が開けた時、
美しい茶畑が広がって桃源郷のようでした」と言っておられた。訪れた
人を魅了するものをこの町は持っている。

 多田氏の講演が終わったのが9時過ぎ。軽く皆さんに挨拶して帰路
につく。帰りも真っ暗な山道。しかも1台しか通れない(離合できない
)道が延々と続く。でも、ガードレールには反射板のついた小さな丸い
ものがずっと一定の感覚で付けてあるので、まるでイルミネーションの
中を走っているような気がして、なんか最終的には楽しい気分になって
いた。
 

 

2016年8月22日(月)
全国組木フェスティバル

 暑が厳しい。少し日陰で風が爽やかになったよう
な気はするのだが・・。そんな8月21日の日曜日、
「全国組木フェスティバル」を見に行った。この催しは、
「組木創作の会」の主催によるもの。ご存知のように、
組木とは、木のおもちゃのひとつのジャンルとして、糸鋸
で切り抜いたフォルムを生かして、隣り合う形がそれぞれ
なにかになっているような組合わせ玩具。日本における
組木玩具の第一人者・小黒三郎氏を中心に、この「組木
創作の会」はたくさんの組木作りの愛好家が20年前に
結成。毎年各地でこのフェスティバルが開かれてきた。
今年は京都での開催で、京都市の北のほうにある同志社
中学校・高校の中のスペースを使用して行われた。
 京都市営地下鉄「国際会館前」で降りて5分ほど歩くと
同志社中学校の広いグランドが見え、会場の「宿志館」に
着いた。会場で小黒さんに会い、倉敷以来の再会のご挨拶。
続いて、名古屋の三輪さんや、福島の古川さん、岡山の
甲本さん、同じく岡山の糸日谷さん、兵庫の中村さん,滋賀
の鎌田さんなどおもちゃ関係の知り合いがたくさん。京都
の木のおもちゃ作家の中山カズトさんの顔が見えたので「え
っなんで?(組木はやらない人なのに)」と聞くと、同志社
でもお仕事をされているそうで、今日はイベントのお手伝い
だそうだ。

 
会場はなかなかの盛況           糸鋸で組木作り体験ができるのが楽しい

 会員のさまざまな組木作品や、同志社中学校の生徒さんに
特別授業で組木制作をしてもらった時の作品などが展示
されていて、夫婦二人でじっくりと見せていただいた。
 私自身は組木は作らない。したがって「組木創作の会」の
会員でもない。(知り合いはなぜか多いけど)基本的に平面
をどう分割するかだけになる組木は、立体的に全方向で遊ぶ
私のおもちゃラインとは少し好みが違ってくるのかもしれな
い。
 でも、他の人の作品を見るのは好き。小黒さんの影響を受
けすぎていない人の作品のほうが新鮮な気がした。小黒作品
に影響されすぎている作品は、結局小黒組木を越えられない
ような気がするのだが・・・。(すみません。生意気を言い
ました。)

 お昼を食べずに会場に入ったので、2時頃に失礼すること
にした。帰り、北大路駅で降りて昼食。ついでにビブレで少
し買い物。3時半くらいには帰路に着いて、本日はウォーキ
ングはお休み。